【スキー場解説日記】第二回 苗場スキー場② 〜苗場スキー場のコースとリフト(現在営業中)〜

スキー場

スキー場解説日記とは

「スキー場解説日記」とは…

スキー場は、現在、全国400箇所近くあるとされています。

そのなかで筆者が特に気に入った(気になった)スキー場について、そのスキー場の歴史からコース解説、今後の未来の展望まで、しっかりと深掘りしながら解説していきます。

今回は、日本最大級のスキーリゾート「苗場スキー場」の第二弾。苗場スキー場のコースやリフトについて解説していきます。

第一弾はこちらから

ゲレンデ全体

苗場スキー場は、新潟県湯沢町三国の「筍山」に造設されています。
近隣にかぐらスキー場が造設されている「苗場山」がありますが、苗場スキー場はこの「筍山」です。

バーンとしては、ホテル前に幅600m超にもなる一枚バーンに7本のリフト・ゴンドラが架設される山麓側と、初心者でも滑れる緩斜面と上級者でも楽しめる急斜面を兼ね備えた標高1789.7mの山頂側に分かれており、それらをつなぐ「大斜面」があります。

コース

山麓(ホテル前)

初級コース

1. H1 第4ゲレンデ南側
初心者向けの幅の広いゲレンデ
第4ロマンスリフトの横にある為、初めてのスキーヤー・スノーボーダーでも安心。
以前はスキー専用エリアだった。

2. H2 第4ゲレンデ北側
H1 第4ゲレンデ北側と同様
初心者向けゲレンデ
以前はスノーボード専用エリアだった。

3. E1 第5ゲレンデ
第5高速リフト横の初級者用ゲレンデ
ナイターゲレンデとしても営業している。
最初の100mが中級レベルの傾斜があるので、初心者はキツイかも。
そこ以外は緩斜面で滑りやすい。

第5ゲレンデ

4. D1 第4高速リフト北側
第4高速リフト北側と言いながら何故か南側にあるのは謎。
初級者向けゲレンデで、以前はゴルフ場として使っていたほどなので緩斜面。
今は使用していない第6高速リフトの支柱が設置してあるので注意。

5. G1 第2ゲレンデ
第3高速リフト横の初級者向けゲレンデ
しかし、第3高速リフトが中級者以上向けのリフトとなるため、このバーンも割りと斜度が存在する。

6. DG1 ドラゴンドラ連絡コース
第3高速リフトを使用し、ドラゴンドラ(火打エリア)方面に滑走移動できる。
第3高速リフトを降り「ドラゴンドラ」のマーク方面に移動するが、途中で「スキースクール専用 ポールバーン」があるのでそっちには行かないように注意。

7. L1 火打第1ロマンスリフトゲレンデ
火打エリアの初級者ゲレンデ
林間コースの緩斜面である。

8. G2 火打ゲレンデ
火打エリアの初級者ゲレンデ
「L1 火打第1ロマンスリフトゲレンデ」同様、林間コースの緩斜面である。

中級コース

9. G3 第3ゲレンデ
第3高速リフト横の中級者向けゲレンデ
正確には第1高速リフト横に設置されていたコースでホテル前の一枚バーンの一番北側。

10. F1 第8高速リフト北側
第8高速リフトの北側の中級者向けゲレンデ
第1高速リフトのあった名残で「G3 第3ゲレンデ」とこのコースが分かれているが、現在は撤去済みなので同じコースと言って良い。

第3ゲレンデと第8高速リフト北側

11. B1 わくわくコース
苗場スキー所はコースの命名規則が意味不明で、ここでいきなりの擬態語の登場。
「A1 大斜面~一般コース」の途中から左に分岐し、ヘアピンカーブが何回も連続したあとに「E1 第5ゲレンデ」の上部に接続し、その後林間コースを一部通って「第4ゲレンデ」まで伸びている。

12. A1 大斜面〜一般コース
苗場スキー場名物の「大斜面」その下部の「一般コース」が、上のコースマップで見えている範囲になる。
もともとは、「ダウンヒルコース(一般用)」としてオープンしていましたが、いつの間にか「大斜面」と同じコースの扱いになった。
斜面としては初級から中級向けの斜度となっていて、第2ゴンドラで回すとなかなかハードなロングランとなる。
そして第4高速リフトの下あたりを通過すると「D1 第4高速リフト北側」に合流し山麓まで緩斜面となる。

13. DG2 チャレンジ
謎の命名規則で、ここには「コース」や「ゲレンデ」という名前は付きません。以前は付いていましたが…
ナンバリングでわかるようにドラゴンドラの連絡コースとなっていて、大斜面ロマンスリフトの乗り場から火打エリアに向かうことができる。
大斜面ロマンスリフトが営業していない時期は、このコースを滑走する人が少ないためか、どこにこのコースが有るのか分かりづらい。
また、コースの最初の方はすり鉢状となっていて、スノーボーダーは楽しいかもしれない。

上級コース

14. B2 男子リーゼン
非圧雪バーン
大斜面から真っ直ぐ進んでいくとこのコースに当たる。
2020年までは、第2高速リフトの降り場がこのコースのスタートだったため回しやすい上級コースだったのですが、それが廃止・撤去されたため苗場スキー場の上級コースは必ずゴンドラで山頂に向かわないといけなくなった。
このバーンは斜度があるためか春になるとクラックが発生しやすく、雪崩が起きたこともあった。

15. B3 女子リーゼン
非圧雪バーン
「B4 男子スラローム」とスタートは一緒であり、途中で分岐する。
「レストランダウンヒル(現在は閉鎖 建物のみ現存)」の上から見て左が男子リーゼン、右が女子リーゼン。

16. B4 男子スラローム
非圧雪バーン
「B3 女子リーゼン」とスタートは一緒であり、途中で分岐する。

17. F2 第8高速リフト南側
上部は非圧雪バーン
第8高速リフトの北側にある上級コースだが、上部は斜度が多少あるものの、下部はほとんど無く「F1 第8高速リフト北側」と変わらない。
以前は中級コースになっていたが格上げされた。

18. F3 ワールドカップモーグルバーン
非圧雪バーン
名前の通り苗場で「2012 FISワールドカップ(W杯)モーグル苗場大会」が開催されたコース。

その他コース

19. Naeba SNOW PARK
キッカー・レール・ボックス・ウェーブなど、初心者から上級者まで楽しめるパーク配置となっていて、ナイターでもミニジャンプ・レール・ボックスが設置されていて使用可能となっている。

20. スキースクール専用 ポールバーン
第3高速リフトを降りて右側のドラゴンドラ方面に向かう際の途中にある。
「苗場スキースクール」と「苗場雪塾」がレーシングのポールレッスンをシーズン中毎日開催している。

雪あそび

i. わくわくファミリースノーランド
色々なアトラクションがあるスノーランド。
入場料 ¥1,300/人(3才未満無料)・中学生以上¥1,100/人

ii. パンダルマンひろば
3歳からOKのちびっこ向けスキースクール「パンダルマンキッズスクール」専用の練習ひろば。

iii. カッパスノーモービルランド
カッパCLUBが開催するスノーモービル体験ツアー。

苗場プリンスホテル4号館から
左から第5ゲレンデ・第4ゲレンデ・第3ゲレンデ
奥には大斜面も見える

中腹

初級コース

初級コースはありません。
筍平方面からホテル前に行く際、初心者は第2ゴンドラで下山しましょう。

中級コース

12. A1 大斜面〜一般コース

苗場の名物の「大斜面」
天気が良いときは、平標山・旧白樺ゲレンデ・旧浅貝ゲレンデ・苗場プリンスホテルが一望できる絶景スポット。
なかなかいい斜面だが、これに併設されてる大斜面ロマンスリフトはトップシーズン中は運休する。

大斜面

上級コース

21. I1 ジグザグコース
大斜面を迂回するようにヘアピンカーブが連発しているコース。
以前はらくらくコースとして初級コースになっていたが、中級コースになり、数年前には上級コースまで格上げされた。
なお、滑っている人をあまり見たことない…

22. A2 スプラッシュボウル
非圧雪バーン
パウダー用のコースとしてコース開設当初は係員が合図を出して順番に滑走する形を取っていたが、現在では係員はいない。
またクローズする日もかなり多い。

山頂

初級コース

23. J1 筍平ゲレンデ
「H1・H2 第4ゲレンデ」同様の初心者向けのゲレンデとなる。
雪不足のシーズン序盤やシーズン終盤の際はこのコースのみのオープンとなることが多い。
全体が幅の広い緩斜面なため、初心者の練習場所としては最適である。

筍平ゲレンデ

24. J2 筍平連絡コース
第1ゴンドラから「J1 筍平ゲレンデ」に向かうためのゲレンデ
初級コースとは言え、幅の狭い斜面に比較的多くの滑走者がいるので、混んでいる時間初心者は第2ゴンドラで筍平に向かう方が賢明。

中級コース

25. K1 筍山スカイライン
筍山山頂から、第1ゴンドラ山頂駅を経由して筍平に向かう中級コース
筍山ロマンスリフトは天候が悪いと即運休になるので、運行情報は要チェック。

上級コース

26. K2 筍山ゲレンデ
非圧雪バーン
筍山山頂から、筍平に向かう上級コース
シーズン終盤は、どんなに雪があっても雪崩の可能性があるので3月中旬にはシーズン終了となる。
天気が良ければ山頂から富士山が見えることがあるらしい。

ゴンドラ・リフト

ゴンドラ

DG. 苗場ドラゴンドラ(苗場-田代ゴンドラ)
架設年:2001年
距離:5481 m
速度:6.0m/s
定員:8人乗り
最大輸送能力:1600人/時
メーカー:日本ケーブル

苗場スキー場とかぐらスキー場田代エリアを結ぶ世界最長のゴンドラ
「ドラゴンドラ」は松任谷由実が命名したとされていて、正式名称は苗場-田代ゴンドラ。
ゴンドラからの絶景が売りで、冬だけでなく、新緑・夏・紅葉シーズンの運行もしている。

苗場ドラゴンドラ

A. プリンス第2ゴンドラ
架設年:1995年
距離:1753 m
速度:5.0m/s
定員:8人乗り
最大輸送能力:2400人/時
メーカー:日本ケーブル

苗場スキー場の南側にかけられている青色のゴンドラ
搬器には西武ライオンズのマークが付けられていて、もともとは苗場ロープウェーがかけられていた場所に架設されている。
夏場はナイトゴンドラとして営業を行っている。

プリンス第2ゴンドラ

B. プリンス第1ゴンドラ
架設年:1985年
距離:2221m
速度:5.0m/s
最大輸送能力:1800人/時
メーカー:日本ケーブル

苗場スキー場北側にかけられている白色のゴンドラ
山麓駅は苗場プリンスホテル6号館とつながっているが、現在はホテル側から乗車できることは殆どない。
また、現在は年末年始および土休日のみの運行となっていて、繁忙期でも待ちが少ないことからも今後の動向が注目される。

プリンス第1ゴンドラ

高速クワッドリフト(デタッチャブル)

D. 第4高速リフト
架設年:1987年
距離:765 m
速度:4.0m/s
最大輸送能力:2400人/時
メーカー:日本ケーブル

現在運行するリフトの中では最南端にかかっていて、一般コース横に位置している。
以前はナイター営業もしていたが現在ではしていない。

E. 第5高速リフト
架設年:1988年
距離:654 m
速度:4.0m/s
最大輸送能力:2400人/時
メーカー:日本ケーブル

苗場スキー場で一番利用者数が多いリフトと考えられる。
ホテル前の高速リフトで、ナイターの運行もしている。
山麓駅出発直後に、第2ゴンドラと立体交差していて圧巻の光景。
余談ですが、このセーフティーバー(ひとりひとりに区切りがあって、手を離すと勝手に上に上がる)のタイプ、好きじゃないんですよね。

第5高速リフトと第2ゴンドラの立体交差

F. 第8高速リフト
架設年:1993年
距離:779 m
速度:不明(通常時は3.0m/s イベント時は4.0m/sと思われる)
最大輸送能力:2400人/時
メーカー:日本ケーブル

苗場スキー場唯一のフード付きリフト
プリンス第1ゴンドラ横に併設されていて利用者数が多いかと思えるが、第3高速リフトと滑走可能なコースが変わらないのもあり、このリフトは年末年始と土休日と3月の「FISユースジャパンカップ」開催時(選手専用)のみしか運行しない。
混んでても動かさない日もあり、なんともお金と人がない感が出ているのが悲しい。
個人的には第3高速リフトよりもなぜかスピードが遅く感じるが確証はない。

第8高速リフトとプリンス第1ゴンドラ

G. 第3高速リフト
架設年:1987年
距離:723 m
速度:4.0m/s
最大輸送能力:2400人/時
メーカー:日本ケーブル

苗場スキー場ホテル前エリアの最北端の高速リフト
ドラゴンドラ連絡コースにいくために必ず使用しなければならないが、一応「中級者用リフト」と山麓駅には記載してある。
現在苗場スキー場に残る高速リフトのうち第4高速リフトと並ぶ最古参で、第2高速リフトが2020年に撤去されたのを考えるとそろそろ寿命も近いのでは?とも考えてしまう。
しかし、リフト需要はしっかりとあり、中級者以上には最適な滑走ができるリフトとなっている。

第3高速リフト

ペアリフト(固定循環式)

H. 第4ロマンスリフト
架設年:1985年
距離:325 m
速度:不明
最大輸送能力:1200人/時
メーカー:日本ケーブル

苗場プリンスホテル4号館のロッカーを出てすぐの初心者向けのリフト
スキー初めての初心者向けなので、速度も非常に低速で、しょっちゅう急停止する。
初心者には安心なリフトと言える。
1・2番線とあり、混雑時は積極的に2線運用する。

第4ロマンスリフト

I. 大斜面ロマンスリフト
架設年:1984年
距離:766 m
速度:不明
最大輸送能力:不明(おそらく1200人/時)
メーカー:日本ケーブル

「幻のシャメロマ」と呼ばれるほど運行することがほとんどなく、2022-23シーズンはシーズン終盤の8日間のみの運行となった。
大斜面を回すには最適なリフトなのだが、運行機会がないのは非常に残念。

大斜面ロマンスリフト

J. 筍平ロマンスリフト
架設年:1986年
距離:423 m
速度:不明
最大輸送能力:1200人/時
メーカー:日本ケーブル

プリンス第2ゴンドラ山頂駅付近の筍平ゲレンデのペアリフト
1・2番線とあるが混雑時は2線運用となる。
標高の高さからシーズン最初から運行できるため、苗場スキー場の中で一番最長の期間運行している。

筍平ロマンスリフト

K. 筍山ロマンスリフト
架設年:1983年
距離:560 m
速度:不明
最大輸送能力:不明(おそらく1200人/時)
メーカー:日本ケーブル

筍山山頂につながるペアリフト
パウダーを求める客が利用するが、大雪時は除雪作業のため運行開始が大きく遅れるほか、雪崩の可能性のため運休することが多い。また、春になると雪崩の可能性があるため早めにシーズンを終える。

L. 火打第1ロマンスリフト
架設年:1985年
距離:490 m
速度:不明
最大輸送能力:不明(おそらく1200人/時)
メーカー:安全索道

現在稼働する苗場スキー場のリフトで唯一の安全索道製のリフト
だからといって別に利用者に不利益があるわけではなく、ドラゴンドラを使用する上で必ず使用しなければならないリフト。
また苗場スキー場唯一のフットレスト付きのリフトでもある。

まとめ

以上が苗場スキー場のコース26本、リフト12本です。
全盛期に比べ大分数は減ってはいますが、まだまだ大規模スキーリゾートです。

前記でもあるように、苗場スキー場のリフトは、1983年~1993年に一気に架設されており、寿命が来るときは一気に来る可能性すらあります。
リプレースするか廃止するか、近々決断が必要な時期が来るのではないでしょうか。

次回も苗場スキー場の解説になる予定です。

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ここまでご覧いただきありがとうございました。

参考資料:索道観察日記
コースマップ:国土地理院 地理院地図Vector「標準地図」「写真」を編集し使用

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