スキー場解説日記とは
「スキー場解説日記」とは…
スキー場は、現在、全国400箇所近くあるとされています。
そのなかで筆者が特に気に入った(気になった)スキー場について、そのスキー場の歴史からコース解説、今後の未来の展望まで、しっかりと深掘りしながら解説していきます。
今回は、日本最大級のスキーリゾート「苗場スキー場」の第二弾。苗場スキー場の過去に存在した索道です。
苗場スキー場は一昨年に60周年を迎え、長い歴史の中で様々な索道がリプレース・廃止を繰り返してきました。
今回はそんな索道の紹介です。
第一弾はこちらから
第二弾はこちらから
ロープウェイ
①苗場ロープウェイ
架設年:1963年
休止年:1995年
距離:1300m⇒1589m
メーカー:不明
稼働年数:32年
現在のプリンス第2ゴンドラと同様の役割を担っていた苗場ロープウェイ
開業すぐから存在していましたが、架設当初は今よりもやや山頂側に山麓駅が設置されていた。また、48人乗り。
その後1979年に延長改造され、現在のプリンス第2ゴンドラの山麓駅よりもやや南側に山麓駅が設置されていた。
上図の点線部分が延長改造を行った区間。
スキーブームによる需要増加や老朽化によってか、1995年にプリンス第2ゴンドラにリプレースされた。
高速クワッドリフト(デタッチャブル)
②第1高速リフト
架設年:1986年
休止年:2007年
距離:652 m
メーカー:日本ケーブル
稼働年数:21年
第1高速リフトは第2高速リフトとともに1986年に架設された高速クワッドリフト
この第1高速リフトは現在の第3高速リフトと第8高速リフトの間にあり現在は人工降雪機が置かれている。
稼働年数は21年と短く、スキーブームの低迷と隣接したリフトがあることから不要と判断された可能性が高いと考えられる。
③第2高速リフト
架設年:1986年
休止年:2020年
距離:1136 m
メーカー:日本ケーブル
稼働年数:34年
第2高速リフトは第1高速リフトとともに1986年に架設された高速リフト
架設当初はフードが無かったが、後に設置されることとなった。
休止年より前から運行日はかなり制限されていたと見られ、老朽化などの理由から2020年に休止・撤去となった。
この高速リフトはホテル6号館前付近から大斜面下部まで一気に登ることのできる高速リフトで、上級者にはピッタリのリフトのため撤去されてしまったのが非常に残念。
④第6高速リフト
架設年:1989年
休止年:2006年
距離:668 m
メーカー:日本ケーブル
稼働年数:17年
苗場スキー場最南端に設置されていた高速リフト
現在も撤去されておらず、「D1 第4高速リフト北側」コースに架設されたままである。
稼働年数も非常に短く、17年で、明らかにスキーブームの終焉のあおりを一気に受けたとみられる。
コース内に支柱あるのにもかかわらず撤去されていないのはなにか方針でもあるのだろうか。
⑤火打第1高速リフト(第7高速リフト)
架設年:1991年
休止年:2011年
距離: 922m
メーカー:安全索道
稼働年数:20年
正式名称は第7高速リフト、俗に言う火打第1高速リフトは苗場スキー場唯一の安全索道製のデタッチャブル高速クワッドリフトである。
また、苗場スキー場最北端の高速リフトであった。
こちらも、なぜか撤去されていない。
ペアリフト(固定循環式)
⑤第1ロマンスリフト
架設年:1番線・1985年
2番線・不明(1978〜82年頃)
休止年:不明(1995〜2003年頃)
距離:1番線・748m
2番線・787m
メーカー:不明
稼働年数:1番線・不明(10~18年間ほど)
2番線・不明(13~25年間ほど)
第5高速リフト付近に設置されていたロマンスリフト
2番線が1番線よりも先にできているが、これは命名基準が後になって変更されたことによることが原因と考えられる。
⑥第2ロマンスリフト
架設年:1983年
休止年:2012年頃
距離: 587m
メーカー:日本ケーブル
稼働年数:約29年
第4ロマンスリフトと第5高速リフトの間にあったペアリフト
⑦第3ロマンスリフト
架設年:1984年
休止年:2012年頃
距離: 483m
メーカー:日本ケーブル
稼働年数:約28年
第3高速リフトと火打第1高速リフトの間にあったペアリフト
⑧第5ロマンスリフト
架設年:1988年
休止年:2012年頃
距離: 402m
メーカー:日本ケーブル
稼働年数:約24年
第1ロマンスリフトと隣接していて、第1ロマンスリフトよりも短いペアリフト
⑨火打第2ロマンスリフト
架設年:1985年
休止年:2009年
距離:530m
稼働年数:24年
火打エリアのロマンスリフトの一つで、火打エリアでは長生きしたほう。
⑩火打第3ロマンスリフト
架設年:1992年
休止年:2009年
距離:460m
メーカー:日本ケーブル
稼働年数:17年
火打エリアにあるロマンスリフトで火打第4ロマンスリフトと並行するように架設されていた。
⑪火打第4ロマンスリフト
架設年:1995年
休止年:2001年
距離:537m
稼働年数:6年
苗場スキー場最北端にあったロマンスリフト
架設年がスキーブーム終焉に当たったのもあってか、稼働年数はわずか6年しかないとされている。
⑫筍山第2ロマンスリフト
架設年:1988年
休止年:2006年
距離:607m
メーカー:日本ケーブル
稼働年数:18年
筍山第1ロマンスリフトのやや北側に寄りに架設されていたロマンスリフト
乗り場は今やコースすら残っていない。
その他
以上に紹介したロープウェー1基・高速リフト4基・ロマンスリフト8基が架設される前にあったのが以下のリフトです。
上地図の
紫が最初期
黄色が第〇リフト
濃オレンジがダウンヒルリフト
薄オレンジがリーゼンリフト
です。
リーゼン第1リフト 1・2番線
リーゼン第2リフト 1・2番線
ダウンヒル第1リフト
ダウンヒル第2リフト
ダウンヒル第3リフト
ダウンヒル第4リフト1・2番線
ダウンヒル第5リフト
第1リフト 1・2・3・4・5番線
第2リフト 1・2番線
第3リフト 1・2・3・4番線
第4リフト 1・2・3・4・5番線
第5リフト 1・2番線
第6リフト(浅貝方面・地図には無し)
筍山第1リフト
筍山第2リフト
ロープトゥー
まとめ
以上が苗場スキー場に、存在していたロープウェイ・リフトなどです。
長い歴史の中で様々な索道がリプレースされてきました。
しかしながら、高速リフト・ロマンスリフトは需要低下による休止が殆どだと考えられます。今後同時期に架設された索道がどうなるのか動向が注目されますね。
次回はまだ未定です。
記事のシェアとTwitterのフォローお願いします。ここまでご覧いただきありがとうございました。
参考資料:苗場プリンスホテル内掲示物・索道観察日記
リフトマップ:国土地理院 地理院地図Vector「標準地図」「写真」を編集し使用
コメント